danjirimaturi.com

presented by 岸和田だんじり祭振興会 

 
 祭狂爺爺がお届けするだんじりコラム。
 祭礼の歴史や、だんじりの彫物などにまつわるよもやま話をお楽しみください。
バックナンバー 2001年度 2002年のコラム 2003年のコラム 2004年のコラム
2005年12月号

祭狂爺爺のだんじりコラム

旗受を眺めて

 祭りが済んで二ヶ月余り、季節はもう師走となりました。今月は地車の彫物で余り皆様方が記憶にないところとして「旗受(はたうけ)」の図柄に目をやりたいと思います。
 旗受はまたの呼び名で「旗台(はただい)」または「幟台(のぼりだい)」ともいいますな。今回は私の独断と偏見をもって「旗受」に統一いたします。とは、たいそうなものではないのですが。

下野町
北町

 「旗受」とは文字通り旗を受けるところなのですが、横の旗−これを幟といいますが−幟も立てるということで「幟台」ともいうわけです。この「旗受」は明治・大正・昭和と余り凝った図柄はないのですが、大体は簡単な花鳥物や獣神、獅子噛が多いですね。岸和田市下野町は“竹に虎”(彫りかえられていますが)岸和田市北町は珍しく“雲に飛龍”です。

筋海町
五軒屋町
紙屋町
熊取町小垣内

 岸和田市筋海町、岸和田市五軒屋町は“コブシの組物”岸和田市紙屋町では“三猿”になっています。しかし洒落た面白いものとして熊取町小垣内地車(筋海町三先代地車)“力士”が肩と手と膝で三本の旗を受けているというものもあります。
 
春木宮本町
南町

 最近は割合凝った物も見かけますね。岸和田市春木宮本町の“見猿・聞か猿・言わ猿”をもじっての三太郎“見太郎・聞太郎・言太郎”や岸和田市南町の町内にある天性寺蛸地蔵に関わる蛸も洒落てて面白いですね。
 


下松町
三田町

包近町
ほかに、岸和田市下松町の“眠り猫”、岸和田市三田町の“力神”もデザインが面白い。また、岸和田市大町は“雲に増長天”も珍しい。岸和田市包近町の“長持ち”は昔からの嫁入り道具でのひとつである長持ちは夫婦がいつまでも仲睦まじくという意味あることより、町民が協力し地車をいつまでも大切にするという意味が込められている。
 最後に岸和田市北町先代(現:奈良県大和高田市地車保存会)の“猩々”を紹介して今回は失礼いたします。

 次回(2006年1月号)は”竹の節”をご紹介いたします。


『猩々(しょうじょう)』
奈良県大和高田市 大和地車保存会  旗受

  唐土(もろこし)は揚子江沿岸の里に孝行なる高風(こうふう)という者がおった。夢のお告げで高風は市で酒を売り富貴となった。そして、その市ごとに来て酒を飲むものがおり、不思議に思った高風は名を問うた。すると、その人答えて 「私は海中に住みし猩々なり」 という。
 ある秋の月夜、高風は瀋陽(しんよう)の江に出て酒を満たした壷を持ち猩々の現れるを待った。果たして酒好きの水の妖精、猩々が現れ、酒を酌み交わして、舞いを舞い高風の孝心をめでて不老長寿の酒を与えたという。赤い頭に、赤い面、赤い装束、赤い扇、能に登場する猩々は猩々緋の色の如く赤づくめで高風を祝福する。


写真提供 :  井口和彰
野口写真

泉州岸和田住 祭狂爺爺 記

 

戻 る